研究課題
基盤研究(C)
リンパ系腫瘍においてBlimp-1の変異が認められることより、Blimp-1欠失が腫瘍化に関与することが示唆されている。そこでBlimp-1の生体内での機能を明らかにするため、Blimp-1ホモ欠失マウスを作製したが胎生致死であった。次に成体となった後に誘導的にBlimp-1の発現を抑制する、コンディショナルノックアウトマウスを作製した。このマウスではBlimp-1欠失によりリンパ節腫大、脾腫が観察されたため、リンパ球のクローナリティーを解析した結果、主にT細胞が、一部B細胞もポリクローナルに増加していることが明らかになった。Blimp-1欠失マウスにおける腫瘍発症の有無については観察中である。上記結果によりBlimp-1が細胞増殖に関与することが示唆されたため、種々細胞にBlimp-1を強制発現させたところ、細胞増殖が抑制された。Blimp-1が細胞周期を負に制御することが示唆されたため、Blimp-1の発現の有無による細胞周期の変化を解析した結果、Blimp-1はG1およびG2停止に関与することが明らかになった。siRNAを用いた実験の結果、細胞周期の停止はRbおよびp53に依存していた。Blimp-1と細胞周期に関与する蛋白質との結合を調べた結果、Blimp-1は細胞周期に重要な蛋白質と結合することが明らかになった。一方Blimp-1は転写因子として機能することが知られているので、Blimp-1の発現により発現量が変化する遺伝子群を検出するために、GeneChipを用いて解析を行った。Blimp-1により発現が誘導される遺伝子の中に、上記と異なる細胞周期の抑制に関与するものを見出した。上記の結果、Blimp-1は直接細胞周期制御に関与する蛋白質に結合すること、また細胞周期抑制因子の転写を制御することで細胞周期の停止に関与することが示唆された。従ってBlimp-1の変異により細胞周期の抑制機能が破綻をきたすことで腫瘍化に関与することが予想された。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (8件)
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