研究概要 |
まずEnforced green fluorescence protein (EGFP) transgenic mice(background : C57/BL6-Ly-5.2)から採取したtotal nucleated cellsを9.5Gyの放射線照射を行ったC57/BL6-Ly5.1miceに移植した。移植後2ヶ月の時点の末梢血を用いて移植細胞の生着を検討した結果、すべてのmiceで95%以上を示した。そこで、四塩化炭素を週2回8週間腹腔内投与して、肝障害モデルを作成した。但し、これらを(1)四塩化炭素のみ(2)四塩化炭素開始から1ヶ月後にG-CSFを5日間投与(3)四塩化炭素から1ヶ月後に3×10^5 EGFP+TNCを移植した3群に分けた。四塩化炭素処置をしないmiceでは肝臓内にEGFP陽性細胞を検出できなかった。四塩化炭素処置することで、肝臓は線維化し、EGFP陽性細胞が数多く肝臓内に浸潤していた。G-CSFの追加投与により肝臓の線維化が減少することが判明した。 次に、EGFP陽性細胞がどのような細胞であるのかを、CD45,Alb, AFRα-smooth muscleactinの抗体を用いた免疫組織染色法で検討した。その結果、EGFP陽性細胞の多くはCD45陽性であり、炎症細胞であると考えられた。Alb, AFP陽性細胞は少数であったが、α-smooth muscle actin陽性細胞は比較的多く検出できた。肝臓内のα-smooth muscle actin陽性細胞はhepatic stellate cellと考えられ、これらの細胞は骨髄細胞由来であることが判明した。現在、single EGFP+ CD34- Sca-1+ c-kit+ Lin-cellを移植したマウスで検討中である。これにより、hepatic stellate cellが造血幹細胞起源なのかが判明するものと期待している。
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