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2004 年度 実績報告書

転写因子による血液細胞分化決定機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590939
研究機関大阪大学

研究代表者

北島 健二  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10346132)

研究分担者 仲野 徹  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
キーワードES細胞 / 血液 / 分子生物学 / 転写因子 / 細胞分化
研究概要

マウス胚性幹細胞(ES細胞)は、試験管内においてマクロファージなどの様々な血液細胞へ分化誘導することが可能である。我々は、ES細胞からマクロファージへの分化過程において、転写因子GATA-2を強制発現させるとマクロファージへの分化が阻害され、巨核球への分化転換が起こることを既に見出している。この巨核球への分化転換をさらに詳細に解析したところ、GATA-2を一過的に発現させただけで、巨核球への分化転換を不可逆的に誘導することが明らかとなった。さらに、GATA-2の発現開始時期の違いにより、巨核球ではなく、赤血球へ分化が振り分けられることが判明した。このことからGATA-2の血液細胞分化転換能は、血液細胞の分化段階に依存していること、また、他のタンパクとの相互作用を介して発揮されることが考えられた。そこで、GATA-2がマクロファージから巨核球に分化転換を行うときと、赤血球へ分化誘導するときの転写因子、転写補助因子の遺伝子発現の比較を行った。その結果、PU.1の発現に差があることを見出した。GATA-2による巨核球分化では、PU.1 mRNAの発現は抑制され、赤血球分化では抑制されなかった。ついで、レトロウイルスを用いてPU.1を過剰発現させると、GATA-2によるマクロファージから巨核球への分化転換が抑制され、未成熟赤血球へと分化した。これらの結果から、GATA-2はPU.1の発現量の違いにより、巨核球、赤血球という、異なる細胞系譜に分化誘導することが明らかとなった。さらに、GATA-2はPU.1遺伝子の発現制御領域に直接結合することがクロマチン免疫沈降法により明らかとなり、現在、GATA-2によるPU.1遺伝子の発現制御について解析を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Differentiation status dependent function of FOG-1.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M
    • 雑誌名

      Genes Cells 9

      ページ: 1213-1226

  • [雑誌論文] Cross talk between retinoic acid signaling and transcription factor GATA-2.2004

    • 著者名/発表者名
      Tsuzuki S
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol 24

      ページ: 6824-6836

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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