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2005 年度 実績報告書

白血病に対する薬剤耐性機構の解明と新たな分子標的治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16590959
研究機関自治医科大学

研究代表者

大嶺 謙  自治医科大学, 医学部, 助手 (90316521)

研究分担者 永井 正  自治医科大学, 医学部, 助教授 (40237483)
キーワード薬剤耐性 / imatinib / RhoA / Nrf2 / Faenesyltransferase阻害薬
研究概要

我々はこれまでにimatinib耐性細胞株KCL22SRをクローニングし、a)BCR/ABLの下流に存在する情報伝達系の調節異常と耐性との関連、b)低分子量G蛋白質RhoAの耐性細胞における発現増強等を見いだした。更にNrf2転写因子がimatinib耐性に関与しているという興味深い知見も得られている。本研究では、imatinib耐性機序についてRhoA、Nrf2との関連に着目した。また、新規分子標的薬によるimatinib耐性解除の可能性について分子レベルで検討した。
1.今回新たにimatinib耐性株K562/SRおよびKU812/SRをクローニングした。imatinib耐性株におけるRhoAの発現を解析したところ、特にKU812/SRで著明に増強していることを見いだした。次に、imatinib耐性株と親株におけるRac1,Cdc42等の低分子量G蛋白質(G protein)群とその下流にある分子群の発現について検討したが、明らかに発現量に差のある分子は見いだし得なかった。
2.最近、Nrf2の活性がヘムによって調節されるという報告がなされた。KCL22細胞にヘミンを添加するとimatinibによるアポトーシス関連因子の誘導が阻害され、用量依存的にimatinibに対する耐性が増加した。この揚合、1)Nrf2による転写活性、2)Nrf2によって発現が調節されるγ-GCSおよびHO-1の発現増強が観察され、siRNAによるNrf2の発現抑制により、ヘミンによるimatinib耐性増加が部分的に解除された。また、ヘム合成系の阻害薬サクシニルアセトンをKCL22/SRおよびKU812/SRに添加するとimatinibに対する感受性が部分的に回復した。従って、ヘムがNrf2活性を介してimatinib感受性を調節しているものと思われた。
3.Faenesyltransferase阻害薬R115777との併用により全てのimatinib耐性細胞株において1)相乗的な細胞増殖抑制2)アポトーシスの誘導および3)G_0G_1期にある細胞比率の増加が認められた。しかし、細胞によりアポトーシス誘導の程度には差がみられたことから、それぞれの細胞による反応の多様性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Relative importance of apoptosis and cell cycle blockage in the synergistic effect of combined R115777 and imatinib treatment in BCR/ABL-positive cell lines.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyosi, T.
    • 雑誌名

      Biochemical Pharmacology 69

      ページ: 1585-1594

  • [雑誌論文] Iron deficiency anemia with marked thrombocytosis complicated by central retinal vein occlusion.2005

    • 著者名/発表者名
      Nagai, T.
    • 雑誌名

      Internal Medicine 44・10

      ページ: 1090-1092

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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