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2004 年度 実績報告書

造血幹細胞ならびに白血病幹細胞のマーキングとその動態解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590964
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

平尾 敦  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90343350)

キーワード造血幹細胞 / 白血病 / SP細胞
研究概要

今年度は、造血幹細胞および白血病幹細胞マーキングの候補としてのSide Population(SP)細胞の検討を行った。SP細胞は、造血幹細胞の集団が濃縮されていること、そのほとんどが、G0期にあり細胞分裂を起こさない状況にいること、さらに抗がん剤やG-CSFの投与によって末梢血に動員されている造血幹細胞ではそのほとんどがSPという性質を失っていること、しかしながら、SPではない造血幹細胞を移植し数ヶ月後、幹細胞が再構築した後再びSPという形質を獲得することなどが判明した。このことは、造血幹細胞の状態によってSPという形質を獲得したり、あるいは失うといった現象がおこるということを示唆している。そこで、造血幹細胞がSPという形質を獲得する要因を検討した結果、ストローマ細胞との接着がその形質の獲得に影響を与えることが判明した。一方、活性酸素が上昇した状況ではその形質を失うことから、幹細胞が骨髄のニッチにおいて存在することによって、幹細胞内の活性酸素を低下させSPという形質を獲得すると考えられた。一方で、白血病幹細胞の特定のため、白血病モデル系の樹立を試みた。造血幹細胞にレトロウイルスベクターにてがん遺伝子Meis1とHoxA9を導入し、放射線照射マウスに移植すると約50日後には骨髄性白血病が発症した。この白血病マウスの骨髄にはSP分画が存在した。これらの白血病は約半数がc-Kit陽性であった。すなわち、白血病細胞の中にも形質の違う集団が含まれていることを示唆する。このことから、SPやその他の細胞マーカーを用いて白血病細胞を分画し、マウスに移植し白血病の発症の頻度をみることによって、SPが白血病幹細胞としての性格をもっているのか、あるいは他の集団がその性格をもつのか検討できると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Regulation of oxidative stress by ATM is required for the self-renewal of haematopoietic stem cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Ito K.他
    • 雑誌名

      Nature 431・7011

      ページ: 997-1002

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Tie2/Angiopoietin-1 Signaling Regulates Hematopoietic Stem Cell Quiescence in the Bone Marrow Niche.2004

    • 著者名/発表者名
      Arai F.他
    • 雑誌名

      Cell 118・2

      ページ: 149-161

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Collaboration of Brca1 and Chk2 in tumorigenesis.2004

    • 著者名/発表者名
      McPherson J.P.他
    • 雑誌名

      Genes Dev. 18・10

      ページ: 1144-1153

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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