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2005 年度 実績報告書

造血幹細胞ならびに白血病幹細胞のマーキングとその動態解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590964
研究機関金沢大学

研究代表者

平尾 敦  金沢大学, がん研究所, 教授 (90343350)

キーワード造血幹細胞 / SP細胞 / 白血病
研究概要

16年度実施した解析により、SP細胞は、造血幹細胞を特定しその動態もよく反映するマーカーになることが明らかとなった。そこで本年度は、このSPが、白血病幹細胞のマーカーになりえるかどうかを検討した。まず、急性骨髄性白血病モデルを作製する目的で、HoxA9およびMeis1をレトロウイルスベクターにより、マウス造血幹細胞に導入後、放射線照射マウスに移植した。移植後約50日でほぼすべてのマウスの骨髄はMac-1あるいはGr-1などの骨髄球系のマーカーを発現した白血病細胞によって置き換わり、死亡した。この白血病マウスの骨髓細胞を採取し、SP細胞の出現を検討した。白血病マウス骨髄においても、SP細胞は存在していた。これらのほぼすべては、Mac-1陽性Gr-1陽性であり白血病細胞であることから、白血病細胞にもSP細胞が存在していることが判明した。そこで、SP細胞とそれ以外の細胞に分画し、5000個ずつ放射線照射マウスに移植を行ったところ、すべてのマウスが白血病を発症し死亡した。次に細胞数を減少させて、白血病の発症に差があるかどうかを検討したが、有意な差は見られなかった。また、サイトカインを添加し半固形培地で培養したが、大きな差が見られなかった。これらの結果より、この急性骨髄性白血病モデルにおいては、SP細胞が白血病幹細胞ではない、と結論づけた。他の白血病モデルでの検討が必要であるが、以上の結果は、SP細胞が必ずしも白血病幹細胞のマーカーになり得ないということを意味している。文献的にヒト白血病の臨床検体を用いた検討でも、SP細胞が白血病幹細胞であるかどうか、議論の分かれるところであり、それを否定する報告もある。今回の研究結果はそれを支持するものであり、今後、別のマーカーを探索することが必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Reactive oxygen species act through p38 MAPK to limit the lifespan of hematopoietic stem cells2006

    • 著者名/発表者名
      Ito K, Hirao A(他9名)
    • 雑誌名

      Nature Medicine (印刷中)

  • [雑誌論文] A quantitative matrigel assay for assessing repopulating capacity of prostate stem cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Azuma M, Hirao A(他4名)
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 338・2

      ページ: 1164-1170

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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