研究課題
目的:GFP-SUMO-1を強制発現させたヒト白血病細胞株K562(K562/SUMO-1)を作成し、抗癌剤処理によるSUMO化の動態とその意義について検討した。方法:(1)SUMO-1をpEGFPに組込み、K562にトランスフェクトした。G418による選択的クローニングを行い、ウエスタンブロットと蛍光顕微鏡でGFP-SUMO-1の発現の強いクローンを選択した。(2)各種抗癌剤(TPA、アドリアマイシン、シスプラチン、ミトキサントロン、CPT-11、イマチニブなど)処理による核内Foci形成を共焦点レーザー走査顕微鏡で解析した。(3)PML, Ubc9,PIASなどのSUMO関連蛋白質の発現、局在をウエスタン解析や共焦点レーザー走査顕微鏡にて解析した。結果:各種抗癌剤処理でGFP-SUMO-1の局在が変化し、その形式から3群に分けられた。GFP-SUMO-1の発現は、TPA処理では、核内で均一に見られ、一方、ミトキサントロン処理では、核内でドットの形成が見られた。K562にGFP-SUMO-1を強制発現させると、TPAやミトキサントロンに対する細胞の感受性が増強し、アポトーシスが誘導された。結論:抗癌剤のアポトーシス感受性は、SUMO化により増強され、SUMOタンパク質は、癌の分子標的になり得ると思われる。
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