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2005 年度 実績報告書

末梢血に存在するリンパ球前駆細胞の分裂増殖と造血微小環境に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16590968
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

葛西 正孝  国立感染症研究所, 免役部, 主任研究員 (10142134)

キーワード造血幹細胞 / 前駆細胞 / 幼若骨髄系細胞 / 末梢血リンパ球 / 幼若リンパ系細胞
研究概要

本研究では、Translin遺伝子欠損(TSN-KO)マウス末梢血中の白血球数が幼年期に激減していることに着目し、造血幹細胞の自己複製と前駆細胞への振り分けに必要な機構の解析をおこなった。この現象は、末梢血リンパ球の成熟が未分化な状態で停止していることに起因するもので、造血幹細胞や前駆細胞の極めて初期の段階でTranslin遺伝子が深く係わっていることを示唆している。
平成17年度は、TSN-KOマウスに認められるもう一つの異常、すなわち、加齢と共に骨髄の造血能が低下して幼若骨髄系細胞が激減することを発見した。この現象を明らかにするため、骨髄系細胞の分化に不可欠なPU.1遺伝子のKOマウス骨髄における発現をRT-PCR法で解析したが、活性に変化は認められなかった。しかし、basic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子、E2Aとそれに特異的に結合する蛋白、TAL1の発現が低下していた。E2AとTAL1の複合体形成は、新たなDNA結合ドメインを形成し、骨髄系幹細胞から前駆細胞への振り分けに不可欠な遺伝子の発現を調節することを示唆している。更に、この時期の骨髄では造血幹細胞(Lin-Sca-1+c-kit+)が急激に増加していることも明らかとなった。この現象の説明として骨髄細胞死に因る可能性が浮上したが、断片化したクロマチンDNAを末端標識法で検出するTUNEL法を用いた細胞化学的解析では差異が認められなかった。以上の結果は、幼若リンパ系細胞や骨髄系細胞の分化だけでなく、造血幹細胞の自己複製に不可欠な造血微小環境にもTranslin遺伝子が重要な役割を果たしていることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A gene-targeted mouse model for bone marrow failure syndrome2005

    • 著者名/発表者名
      Kasai, M. et al.
    • 雑誌名

      Blood 106

      ページ: 140b

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Immunological Detection of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus by Monoclonal Antibodies2005

    • 著者名/発表者名
      Ohnisni, K. et al.
    • 雑誌名

      Jpn.J.Infect.Dis. 58

      ページ: 88-94

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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