研究課題
肺局所のTH1,TH2バランスの制御は、各種炎症性肺疾患の発症、経過、治療の上で極めて重要である。我々は、マクロファージの細胞内酸化・還元状態、特に還元型(GSH)と酸化型(GSSG)グルタチオンのバランス(GSH/GSSG比)によりマクロファージからのTh1サイトカインであるIL-12産生が制御され、その結果TH1・TH2サイトカイン産生が調節されているという報告をおこなってきた。今年度は、RSウイルスのマクロファージへの感染は、マクロファージ内のグルタチオンレドックス系を酸化状態に変え、それが持続的に続くことを見出した。また、同時にIL-12産生も惹起されるが、リポポリサッカライドの刺激のようにすぐに産生されるのではなく、RSウイルス感染後48時間以上のちにピークを迎えるという極めて特異的なタイムコースをとることを見出し、第55回日本アレルギー学会で小野が報告した。さらに、卵白アルブミン感作マウス喘息モデルにおいて、グルタチオンの前躯体を投与すると、気道過敏性の増加が抑制され、TH2サイトカインの産生も抑制されることがわかった。この結果に関しては、現在、論文投稿中である。これは、レドックスを制御することにより、アレルギー疾患を治療するという新しい治療法の開発につながる研究である。Kawataの論文では、スフィンゴシンが、平滑筋の遊走や平滑筋からのRANTES産生を抑制するという新しい知見を得たのでBiochem Biphys Res Cmmunに発表した。
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