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2004 年度 実績報告書

非結核性抗酸菌に対する新たな検査法の開発と感染症例の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16590990
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

錫谷 達夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)

研究分担者 橋本 浩一  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50322342)
棟方 充  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00209991)
斉藤 純平  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50332929)
キーワード非結核性抗酸菌 / 16S ribosomal RNA遺伝子 / 検査法
研究概要

抗酸菌感染症のおよそ20%は非結核性抗酸菌によるもので、新規患者発生数は増加傾向にあると言われている。しかし、その原因菌には38種もの菌が知られており、生化学的性状を基盤とした古典的同定法では菌種を確定することが困難な症例が多い。そこで、近年発達してきた16S ribosomal RNA(16S rRNA)遺伝子シークエンスによる菌種同定法を用い、福島県立医科大学での症例を確定診断し、それぞれの症例の臨床像を検討することを目的に本研究を進めている。
2001年5月から2003年12月の期間に、福島県立医科大学臨床検査部で分離され、保存されていた非結核性抗酸菌224株の16S rRNA遺伝子をPCR-directed sequencing法で解析し、抗酸菌16S rRNA遺伝子のデーターバンクRIDOMと遺伝子データーバンクGeneBankで相同性検索を行った。その結果、223株(98.7%)の菌名を同定することが出来た。その中には、既存の検査法では同定不能な、世界で3例目の稀な感染症も含まれていた(Mycobacterium heckeshornense)。この方法が検査法として有用であることが明らかとなったので、福島県立医科大学附属病院での抗酸菌検査の体制を見直し、PCRで同定可能なM.tuberculosis、M.avium、M.intracellulale以外の抗酸菌は、全て本法で同定することとし、現在さらに多くの症例の解析を進めているところである。
また、次のステップとして、培養せずに喀痰から直接菌のDNAを調整し、同定を行う検査法を開発中である。これによって、抗酸菌が顕微鏡下で観察される症例中、菌が培養で陰性となるおよそ20%の症例も原因菌の同定が可能になるものと期待される。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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