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2005 年度 実績報告書

非結核性抗酸菌に対する新たな検査法の開発と感染症例の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16590990
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

錫谷 達夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)

研究分担者 橋本 浩一  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50322342)
棟方 充  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00209991)
斉藤 純平  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50332929)
キーワード非結核性抗酸菌 / 16S ribosomal RNA遺伝子 / 検査法
研究概要

抗酸菌感染症のおよそ80%は結核菌群、20%は非結核性抗酸菌の感染症である。一般検査では結核菌群5種の菌種同定や、100種を越える非結核性抗酸菌種をすべて同定するのは不可能で、臨床の現場では診断に至っていない症例や、結核と診断されている症例の中にBCGの感染症例が多数潜んでいると考えられる。このような現状をふまえ、本研究では、これまで報告されている遺伝子やゲノムの解析に基づいた分子生物学的な抗酸菌同定法を比較検討し、最適と考えられる方法で多数の臨床例を解析した。
結核菌群の確定診断にはParsonsらによって報告されたPCRによるdeletion領域の解析法が簡便・有効であることが確かめられ、本法を用いた。その結果、50年以上前に接種されたBCGが内因感染し、皮膚結核症を起こした症例や膀胱癌の治療に用いたBCGがおよそ2年後に脊椎カリエスを起こした症例を明らかにすることが出来た。膀胱癌に対し広くBCG療法が使われていることから、今後確実なBCGの同定が必要な症例は増加するものと考えられた。
非結核性抗酸菌感染症については、2001年5月から2003年12月に福島県立医科大学附属病院臨床検査部で分離された226株全てを16s rRNA遺伝子のシークエンスから同定出来た。これまで報告されているrpoB遺伝子のシークエンスによる同定法と比較し、16s rRNA遺伝子シークエンスによる方法が有効であることを確認した。診断した症例中には、世界で4例目のM.heckeshornense、7例目のM.thermoresistibile、初めてのM.arupense感染症などが含まれる。
以上の研究から抗酸菌の分子生物学的同定法は大変有用であり、本研究は規模を全国に拡大し、継続していく必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] BCG granuloma appearing more than 50 years after vaccination.2006

    • 著者名/発表者名
      Mariko Seishima
    • 雑誌名

      Arch.Dermatol. 142

      ページ: 249-250

  • [雑誌論文] 50年以上を経て発症したと考えられるBCGによる皮膚結核2005

    • 著者名/発表者名
      藤沢 智美
    • 雑誌名

      日本皮膚科学会雑誌 115・13

      ページ: 2326-2329

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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