研究課題
基盤研究(C)
目的:アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のTh1作用抑制効果の有無を検討するため、ループス腎炎のモデルマウスであるMRL/lprマウスにARBを投与し、BUN、尿蛋白とリンパ球のTh1/Th2バランスの変化を検討した。背景:SLE患者ではTh1/2サイトカインバランスの変化が疾患の活動性に関与している。特に、Th1優位の状態となると疾患の活動性が増す傾向となる。一方、アンギオテンシンIIを実験動物に投与するとSLE患者と同様のバランスの変化が見られ、これにARBを投与するとTh1/Th2バランスが逆転し病態の改善が見られるとされる。方法:ループス腎炎のモデルマウスであるMRL/lprマウスに9週齢から28週齢にわたってolmesartan活性体(olmesartan medoxomil換算で10mg/kg/day)を連日飲水投与した(n=10)。コントロールとして、Vehicle投与群(n=16)、hydralazine投与群(n=10)をおいた。また、Balb/cマウスをWild typeのコントロールとした(n=10)。BUN、尿蛋白を測定した。各個体から脾臓細胞由来のT細胞を分離培養し、培養液上清からThサイトカインであるIFN-γ、IL-4を測定した。結果:尿タンパク、BUNについては明らかな改善傾向は見られなかった。サイトカインバランスについても、ARB投与でvehicle群に比べてTh1/Th2サイトカインのバランスに変化は見られなかった。しかし、生命表分析ではolmesartan投与群の生存率が明らかに改善していた。まとめ:ARBの腎保護効果については本実験では明らかでなかったが、生存率の明かな改善効果が見られた。ARBの他臓器への効果が生存率を改善したと考えられた。今回の検討では、ARBの一種であるolmesartanにSLE自然発症マウスにおけるTh1抑制効果は認められなかった。
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