研究概要 |
先天性ケトン体代謝異常症について 1)βケトチオラーゼ(T2)欠損症とサクシニル-CoA:3-ケト酸CoAトランスフェラーゼ(SCOT)欠損症では酵素活性,蛋白遺伝子解析を行い,新たにこれら疾患の患者の診断を行い,変異の蛋白3次構造に変異の与える影響について検討した.そして軽症変異型のT2欠損症は欧米でもちいられてきたTiglyl-CoAを用いた活性測定では見落とされていた可能性があることを明らかにし(Zhang et al.Pediatr Res 2004),また軽症変異型のSCOT欠損症では本症の特徴である持続性ケトーシスがないことを報告した(Fukao et al, Pediatr Res 2004). 2)ヒトT2遺伝子発現の基礎的検討においてはエクソン5と6の間にもう1つBT2エクソンが存在する.alternative splicing form BT2 mRNAの線維芽細胞での発現を認めた.しかしAlternative form BT2 cDNAを真核生物発現ベクターpCAGGS組み込み発現させ,polyclonalな抗T2抗体での検出を試みたが,認識されなかった. 3)SCOT遺伝子ではマウスの上流域の5kbの配列をクローニングした.ルシフェラーゼアッセイ用のベクターに組み込んでいる. 4)3-hydroxybutyrate dehydrogenase (3BDH)においては3BDH knockout constructを作成し,マウスES細胞でのスクリーニングをおこなったが,組み換え体が得られず,現在今後の方針を検討中.
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