研究課題
本年は最終年度にあたり、二分脊椎の解析とともにそのメカニズムに関する研究を行った。1)新生仔の表現型の解析;rsのホモrs/rsの二分脊椎の見られた個体については、骨格標本を作製し、Alcian blue染色、Alizarin染色を行い、軟骨および骨化異常について解析し、rsのホモマウスにおいて骨化遅延を見いだした。またrs/rsマウスにおける骨代謝異常をさらに詳細に検討するため、pQCTによる経時的な骨量評価に加えて、骨形態計測を行った。pQCTにおいて、若年期から老齢期までのrs/rsの脛骨において、雄性、雌性ともに海綿骨密度及び皮質骨断面積の低下を認めた。rs/rsにおいて単位骨量及び海綿骨数が減少する傾向を示し、吸収面及び破骨細胞数が増加する傾向を示した。7週齢マウス由来の骨芽細胞の増殖及び石灰化を検討したところ、rs/rsと野生型の間に明らかな差を認めなかった。また7週齢マウス由来の骨芽細胞では、定量PCRにおいて、Ranklの発現がrs/rsにおいて野生型に比し増加していた。Opgの発現は明らかな差を認めなかった。2)葉酸による予防効果の解析;rsの交配により、胎児においてrs/rsが産まれるようにしておき、この妊娠マウスに葉酸を3日間腹腔内投与(3mg/kg/day)を行ったが、明らかな発現率の変化は認められなかった。また、二分脊椎の観察方法において、軽度の症状のものに関しては観察方法の確立が必要であると考えられた。今後、葉酸の投与量、投与期間などについて検討する必要があると考えられた。
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