1.G-CSF動員末梢血幹細胞分画中の樹状細胞 1)末梢血液中樹状細胞サブセット動態の解析 G-CSFにて末梢血幹細胞を動員した健常人ドナー(N=9)及び患者(N=9)の血中樹状細胞(DC)サブセットの動態を検討した。ドナー群と患者群ともに血中DC総数はG-CSF投与により約3〜4倍に増加した。ドナー群と患者群ともに血中DC1細胞数はG-CSF投与により約2倍に増加した。血中DC2細胞数はG-CSF投与によりドナー群では約10倍、患者群では約5倍に増加した。両群においてG-CSFは血中DCサブセットをDC2優位にする可能性が示唆され、両群間にはなかった。 2)DC1およびDC2細胞の機能の評価 アフェレーシスで採取した末梢血幹細胞分画からDCを分離し、DC1細胞およびDC2細胞を純化し、これらの細胞を自己あるいは同種のnaive T細胞ともに刺激因子を加えて培養し、培養液中のT細胞数および培養上清の種々のサイトカインを測定したが、サイトカインは十分に測定できず、細胞の機能面での評価はできなかった。今後、培養系をかえて再検討する予定である。 3)DC1/DC2比に影響を与えるサイトカインの検討 DCを種々のサイトカインあるいはケモカインを加えて培養し、DC1とDC2の変化を検討する。DC1/DC2バランスに影響を与える(DC1優位とする)サイトカインはTNF-αとIL-2である可能性があった。 2.臍帯血および骨髄血中の樹状細胞サブセットとその機能 末梢血幹細胞分画と同様に臍帯血の樹状細胞サブセットを解析した。臍帯血ではG-CSF投与していない末梢血幹細胞分画と比較して有意にDC2細胞の割合が多かった。
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