研究課題
基盤研究(C)
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の治療を目的にSweeneyらはゲンタマイシンをDMDのモデルマウスであるmdxマウスに投与したところ、ほぼ正常なジストロフィン(dy)が発現していることを報告している。ゲンタマイシンが、mdxマウスが持つdy遺伝子の点突然変異(終止コドン)を翻訳段階で読み飛ばし(リードスルー)、ほぼ正常dyを発現させたためである。このゲンタマイシン治療の問題点は1)ゲンタマイシンの副作用である腎毒性、聴毒性のためread-throughを引き起こさせるに至る投与量を患者に投与できない。2)ゲンタマイシンは半減期が短く、有効血中濃度を維持できない。3)ゲンタマイシン治療対象患者は点突然変異で終止コドンが生じた患者の約5〜10%であるため、その治療対象患者を見つけるのは難しい。などがある。1)と2)の解決のため、ハイブリット型リポソームを使用した。その結果、筋崩壊を示すCK値の平均値において、ゲンタマイシン封入ハイブリット型リポソーム(G-Lip)投与群が、ゲンタマイシンのみ投与群(G)より低かった。また、全骨格筋に対するジストロフィン陽性線維の率もGよりG-Lipが高い数値を示し、有効性が示唆された。3)の解決のためにDMD患者より線維芽細胞を分離培養し、MyoDを発現させることのできるアデノウイルスベクター(AdMyoD)を感染させ、ゲンタマイシン存在下でマイオチューブに分化誘導し、dyの発現を解析して、患者がこの治療法の適応であるかどうかのスクリーニングシステムを開発した。
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Brain. Dev. 27
ページ: 400-405
Brain.Dev. 27
J. Gene Med 6
ページ: 155-165
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Brain. Dev (In press)
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