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2004 年度 実績報告書

ゴーシェ病の中枢神経症状発現機序及び治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591057
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

井田 博幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (90167255)

研究分担者 大橋 十也  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60160595)
小林 正久  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20312019)
キーワードゴーシェ病 / ケミカルシャペロン / 神経症状
研究概要

ゴーシェ病はグルコセレブロシーゼ活性低下により細網内皮系に糖脂質であるグルコセレブロシドが蓄積するため肝脾腫、骨症状などを主徴とする疾患である。神経症状の有無及び重症度により1型(成人型、非神経型)、2型(乳児型、急性神経型)、3型(若年型、亜急性神経型)に分類されている。これら臨床的異質性は遺伝子変異により一部規定されている。F213I変異はアジア人ゴーシェ病に特有な変異であり、このホモは神経型(3型)を呈することが我々の研究で明らかにされている。これら患者に対する酵素補充療法の効果は不十分であり新たな治療戦略の必要性が提唱されていた。N-octyl-β-valienamine (NOV)はグルコセレブロシーゼの抑制剤であるが、これをF213I変異ホモ患者の培養皮膚線維芽細胞に30μM添加するとその活性が約6倍(正常細胞活性の80%)に増加することが明らかとなった。この酵素活性の増加はその他の変異(N370S、L444P、84GG、RecNciI)では認められなかった。F213I変異によって変化したグルコセレブロシーゼ蛋白はゴルジ体に輸送されず、中性環境で速やかに分解されるため活性を失うことが明らかとなりNOVはケミカルシャペロンとしてこの異常代謝を是正するため酵素活性の増加が見られると考えられた。以上からNOVはF213I変異ホモ患者の神経症状を改善させる可能性のある薬物と思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] N-octyl-β-valienamine up-regulates activity of F213I mutantβ-glucosidase in cultured cells ; a potential chemical chaperone therapy for Gaucher disease2004

    • 著者名/発表者名
      Lin H, Ida H, et al.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta 1689

      ページ: 219-228

  • [雑誌論文] 酵素補充療法2004

    • 著者名/発表者名
      井田 博幸
    • 雑誌名

      小児科診療 67

      ページ: 533-537

  • [雑誌論文] リピドーシススクリーニング2004

    • 著者名/発表者名
      井田 博幸
    • 雑誌名

      小児科 45

      ページ: 2034-2040

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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