研究課題
基盤研究(C)
再生不良性貧血とMDS不応性貧血(RA)の境界領域の不明瞭さを解明する目的で、再生不良性貧血からの病型移行、残存造血障害について基礎的な知見を得ることを目的とした。小児血液学会のデータベースを利用した臨床疫学追跡調査結果から、再生不良性貧血から病型移行するMDSの内、trisomy8異常は予後良好、monosomy7は予後不良である事を示した。MDS-RAからの病型移行頻度は低率である。診断時の形態診断は困難であり、治療方法を含めて前方視的な研究が必須である。中等症再不貧と不応性貧血MDS-RAの免疫抑制療法に対する反応性は、後方視的検討では反応性50-60%と両病型で差を認めない。無効造血を反映する診断時赤血球MCV値はいずれの病型でも高値を示す等の共通点が認められた。残存造血能を評価し、かつ病型移行時に出現が予想される異常分化細胞検出を目的に、少数例で多次元Flow cytometry(MDF)を用いた造血能の予備的観察を行った。その結果、再不貧診断時に造血細胞が著減し、その後正常造血能が回復する過程が観察された。その間、G-CSF投与により一過性に出現した異常分化細胞が検出された。従ってMDF法により発症時異常造血、または造血不全からの正常造血回復をとらえられる可能性が示唆された。骨髄生検・骨髄凝血塊標本の観察は、科学的解析ならびにスコアリングシステム作成に十分な検体数が得られなかった。
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