研究概要 |
1)皮特異的PTEN欠損マウスにおける活性型STAT3の定量(担当:濱田,井上,真鍋) STAT3の発現と活性化に関して,表皮特異的PTEN欠損マウスの角化細胞と野生型マウスのそれを比較検討するため,まず,両者の新生児マウスの背部皮膚を4℃で12時間ディスパーゼ処理し,表皮を真皮より剥離した。次いで,得られた表皮を37℃で10分間トリプシン・EDTAで処理し,細胞浮遊液を採取した後,Keratinocyte Growth Medium (GIBCO)中で培養を開始した。培養角化細胞にEGF刺激を加えた後、SDSサンプルバッファーにより全タンパクを抽出した。この標品を電気泳動後に活性型ないし全STAT3に対する特異抗体を用いて免疫ブロットを施行した。 2)表皮特異的PTEN-STAT3ダブルノックアウトマウスの作成(担当:鈴木,濱田,真鍋) Keratine5プロモーターにCre蛋白を持ちPTEN遺伝子にloxP配列を導入したマウスと、STAT3遺伝子にloxP配列を導入したマウスを交配すると,生まれてくるマウスの中にはKeratine5プロモーターが働くため,Creが産出され、Cre-loxPシステムにより皮膚角化細胞特異的にPtenとSTAT3がいずれもホモ欠損になったダブルノックアウトマウスが生じる(K5-Creマウスは竹田潤二先生より供与,STAT3 floxマウスは審良静夫先生より供与)。このシステムを用いて皮膚特異的なPTENとSTAT3のダブルノックアウトマウスを20匹程度作成する。皮膚特異的にPTENがホモ欠損でかつSTAT3がwild typeになったノックアウトマウスも20匹程度作成し,wild type20匹と共に6〜8カ月程度飼育して肉眼的な腫瘍発生の有無,皮膚,毛の状態につき観察し比較検討した。いずれも離乳時に尾を切断しゲノムDNAを抽出してPCR法を行い,野生型とloxP配列の入ったPTENあるいはSTAT3のバンドの有無を調べて表現型の解析を行った。
|