研究課題/領域番号 |
16591103
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤山 幹子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (60263935)
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研究分担者 |
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
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キーワード | CXCL16 / fractalkine / chemokine / keratinocyte / toll-like receptor |
研究概要 |
膜結合型ケモイカンであるfractalkineとCXCL16のヒト表皮角化細胞による産生を解析した。無血清培地により培養したヒト表皮角化細胞を、各種TLRのリガンドにより刺激し、それぞれの刺激後のケモカインの産生を、mRNAレベル、蛋白レベルで検討した。さらに、TNF-α、IL-1、IFNγなどのサイトカン刺激によるケモカイン産生も、同様に検討した。その結果、fractalkineとCXCL16が培養ヒト表皮角化細胞で産生されること、CXCL16は無刺激のヒト表皮角化細胞でも多量に産生されていること、fractalkineとCXCL16の産生はそれぞれ異なる刺激により調節されていることが明らかとなった。 そこで、ヒト表皮角化細胞から無刺激で産生されているCXCL16に注目し、ケモカイン以外の機能を推測し解析した。近年、CXCL16のようにELRモチーフを欠くCXCケモカインでは抗菌活性を示すことが知られており、CXCL16についても抗菌活性を検討した。その結果、CXCL16のS.aureus、E.coliに対する抗菌活性を認め、CXCL16がヒト表皮において重要な抗菌物質の一つとして機能している可能性があることを明らかにした。CXCL16はsheddingをうけて分泌型となるが、抗菌活性を示すのは分泌型のケモカインドメインの部分である。そこで、ヒト表皮角化細胞におけるCXCL16のsheddingに関わる蛋白を種々のinhibitorを用いて解析を行うとともに、CXCL16蛋白の3カ所の異なる部位に対するポリクローナル抗体を作成し、western blotや免疫染色による検討を行っている。 Fractalkineに関しては、皮膚疾患においての発現を免疫染色で確認し、fractalkineにより誘導されていると考えられる炎症細胞の種類を免疫染色により解析中である。
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