研究課題
昨年度、われわれは、CXCL16がsheddingをうけて分泌型となり、抗菌活性を示すことを明らかにした。そこで、ヒト表皮角化細胞におけるCXCL16のsheddingに関わる蛋白を種々のinhibitorを用いて解析を行い、CXCL16蛋白の3カ所の異なる部位に対するポリクローナル抗体を作成し、western blotや免疫染色による検討を行った。これらの検討より、ヒト皮膚の表皮では、基底細胞層と有棘細胞層でCXCL16の産生とsheddingの受け方に違いがあることが示唆された。また、sheddingを抑制することの可能なinhibitorを確認した。fractalkineに関しては、皮膚疾患においての発現を免疫染色で確認し、fractalkineにより誘導されていると考えられる炎症細胞の種類を免疫染色により解析した。fractalkineのレセプターを発現する数種の炎症細胞は、いくつかの炎症性皮膚疾患において強く誘導されており、表皮には炎症細胞浸潤に一致したfractalkineの発現を認めた。これらの所見から、ある種の皮膚疾患の発症機序に、fractalkineが重要な役割を果たしていると考えられた。皮膚疾患において、fractalkineがchemokineとして作用するためには、sheddingを受けることが重要となる。そこで、fractalkineのsheddingについても、inhibitorを用いて解析を行ない、刺激下で産生されるfractalkineのsheddingを抑制しうるinhibitorを確認した。
すべて 2006 2005
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