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2004 年度 実績報告書

メラノーマにおけるペプチド抗原提示機構の分子基盤解析

研究課題

研究課題/領域番号 16591106
研究機関熊本大学

研究代表者

影下 登志郎  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (20152605)

キーワードメラノーマ / ペプチド提 / HLA class I
研究概要

メラノーマワクチン療法の有効性を改善するためには免疫エスケープ現象の解明とその対応が重要である。エスケープ機序は(1)抗原をペプチドに分解してHLA Class Iに提示するまでの過程と(2)HLA Class Iが細胞傷害性T細胞にペプチドを提示する過程に大別される。そこで本研究ではこれらの過程に存在する分子群(第1過程:TAP-1,TAP-2,LMP-2,LMP-7,LMP-10,Z, Delta, Tapacin, Calnexin, Calreticulin,、第2過程:HLA Class I-heavy chain, HLA Class 1-light chain (beta2-microglobulin))対するモノクローナル抗体がホルマリン固定パラフィン包埋切片上でも染色できるように種々の方法を用いて検討した。
まず、正常皮膚組織のホルマリン固定パラフィン包埋切片標本を用いて検討した。抗原賦活化はマイクロウェイブ(citrate buffer pH6またはpH7)法やオートクレイブ法を用い、抗体の濃度設定を行い、それぞれの至適条件を決定した。
その結果、HLA Class I, beta2-microglobulinは細胞膜、その他の分子群は細胞質に明瞭に陽性所見が得られた。従ってこれらの抗体を用いてレトロスペクティブな解析が可能となった。
メラノーマ組織を用いた予備実験ではメラノーマ細胞にはDeltaとCalreticulinの発現が高頻度に認められたが、HLA Class I-heavy chain, beta2-microglobulin, TAP-1,TAP-2は発現の低下が著明であった。その他の分子はその中間程度の発現であった。
これらの結果は細胞傷害性T細胞にペプチドを提示する場合にメラノーマ細胞におけるHLA Class Iは必須であるが、その発現に最も影響している分子はTAP-1とTAP-2であることが示唆された。
次年度はメラノーマ症例や色素細胞母斑症例を多数検討し、臨床病理学的因子との相関性を検討する予定である。さらには、培養メラノーマ細胞を用いてこれらの分子発現に及ぼすサイトカインの影響を検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Galectin-9 in physiological and pathological conditions.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Glycoconjugate J. 19

      ページ: 593-600

  • [雑誌論文] Spinal arachnoid cyst containing nevus cells in the patient with large.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Neurosurg. 55

      ページ: 1006-1010

  • [雑誌論文] Human high molecular weight-melanoma associated antigen : structural features functional role in the biology of melanoma cells and clinical significance.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Crit Rev Immunol. 24

      ページ: 267-296

  • [雑誌論文] Identification of Glypican-3 as a novel tumor marker for melanoma.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Clin.Cancer Res. 10

      ページ: 6612-6621

  • [雑誌論文] Histopathologic characteristics of malignant melanoma affecting mucous membranes : A unifying concept of histogenesis.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Pathology. 36

      ページ: 404-413

  • [雑誌論文] Identification of a novel human cancer/testis antigen, KM-HN-1, recognized by cellular and humoral immune responses.2004

    • 著者名/発表者名
      Kageshita T
    • 雑誌名

      Clini Cancer Res. 10

      ページ: 6047-6057

  • [図書] エビデンスに基づいた癌化学療法ハンドブック2004

    • 著者名/発表者名
      影下登志郎
    • 総ページ数
      284-285
    • 出版者
      メディカルビュー社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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