研究課題/領域番号 |
16591117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
早川 順 杏林大学, 医学部, 助手 (30255393)
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研究分担者 |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
高橋 良 杏林大学, 医学部, 助手 (00317091)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | Toll-like receptor / 肥満細胞 / 即時型過敏反応 / FcεRI / late phase reaction |
研究概要 |
本研究において我々は、これまでアレルギー性疾患での即時型過敏反応(ITH)の主役と考えられてきたIgEが、自然免疫反応を制御する役割を担っているかどうかを明らかにしようと考えた。我々はハプテンを足蹠に塗布することにより、Toll-like receptor(TLR)2依存性の肥満細胞の脱顆粒により生ずるITH様の反応を誘導するのに成功した。このTLR2依存性のITHはハプテン特異的IgEにより抑制されるのに対し、このハプテン特異的IgEは一方で同一のハプテンを繰り返し塗布することにより耳に惹起されるITHには必須であった。 このようなハプテン特異的IgEによるTLR2依存性の肥満細胞の脱顆粒の抑制は、培養肥満細胞(BMMCs)を移入することにより再構築されたW/W^vマウスの足蹠にハプテンを塗布することによっても観察された。しかしTLR2^<-/->マウス由来のBMMCsにより再構築されたW/W^vの足蹠にハプテンを塗布してもTLR2依存性のITHは誘導されなかった。このIgEによるTLR2を介したITHの抑制は、移入するBMMCsを塗布するハプテンに対するIgEにより前処置することによってのみ誘導された。しかし異なった特異性を有するIgEでBMMCsを前処理した場合には抑制は認められなかった。この結果は、IgEがいつも組織に対して障害をもたらすわけではなく、ある状況においては過度の自然免疫反応を抑制する作用を有していることを示している。IgEは本来発生学的には、自然免疫反応を抑制すべく進化した自己組織防衛機構の一つなのかもしれない。
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