アトピー性皮膚炎の乳児期での発症が予測できるかについて、本年度は、 1)新生児における角層水分量の測定 2)新生児における経表皮水分蒸散量の測定 3)新生児における角質細胞間脂質の測定サンプルの採取 を行った。 1)対象:男女児計24名、生後1日から60日で、平均8.7日 方法:角層水分量の測定は、モイスチュアメーター(キーストン社)を用いた。 結果:角層水分量については、最高36.3から最低7.0、平均19.7とばらつきがみられた。測定条件(室温、湿度)を必ずしも一定にしえないことも原因と思われるが、アトピー性皮膚炎の素因をこの時点から反映して、皮膚の乾燥状態が生じている児がみられるものかもしれない。 2)経表皮水分蒸散量 対象:実験1)と同様 方法:経表皮水分蒸散量の測定は、ベイパーメーター(キーストン社)を用いた。 結果:経表皮水分蒸散量についても4.1から37.1とばらつきがみられた。これも、生後数日の時点ですでに、皮膚の乾燥に由来する径表皮水分蒸散量の増加している児が存在していることを示唆しているものかも知れない。 3)角質細胞間脂質の測定サンプルの採取 対象:実験1)と同様 方法:プロテクトラベルBを用いて前腕伸側より、テープトリッピングにて角層を採取し、冷凍保存し、測定に備えた。
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