研究概要 |
平成17年度は以下の検討を行った。 1.ラテックスフルーツ症候群において、Oral Allergy Syndrome(以下OAS)を伴うラテックスアレルギー(以下LA)患者に関与するアレルゲン蛋白について検討した。 【方法】LA患者を、OASを伴うLA患者とそれ以外の患者に分類し(n=25)、主要なラテックスアレルゲン蛋白に対するIgE抗体をUniCAP(n=25)で測定し、プリックテスト(以下SPT)(n=7)を施行した。【結果】25例中15例に鼻アレルギー症状を認めた。その15例中12例(80%)のrHev b8特異IgE抗体(UniCAP)はClass 2以上であった。SPTでは全例がrHev b8に陽性反応を呈した(r : recombinant)。【結論】Hev b8(Latex Profilin)はOASを伴うLAにおいて重要なアレルゲン蛋白であると考えた。 2.国内のラテックス製品(手袋、日用品など)から溶出するアレルゲン蛋白を、Hev b 1,3,5,6.02に対するモノクローナル抗体を用いるFITkit^<TM>で測定した。また、溶出した総蛋白質量をASTM D5712-95法で、総抗原量をASTM D6499-00法で測定した。 【結果】国内の天然ゴム製品からはHev b5やHev b6.02が比較的多く溶出し、Hev b1やHev b3の溶出量は少ないことがわかった。 3.LA患者の追跡調査を行い、当院でのLA対策および生活指導の効果を評価した。 【方法】LA16名を対象にアンケート調査,皮膚テスト(SPT)、ラテックス特異IgE抗体の測定(CAP FEIA)を行い、診断時と現在の結果を比較検討した。【結果】全例,職場を変更することなく就業し、SPTスコアは62.5%(10/16人)で低下し、特異IgE抗体は81.2%(13/16人)で低下していた。【結論】患者らの症状は全般的に改善しており、我々のLAに対する対策および生活指導は奏効したと考えた。
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