研究課題/領域番号 |
16591132
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田上 真次 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40362735)
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研究分担者 |
大河内 正康 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90335357)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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キーワード | BACE / アミロイドベータの分解 / ガンマセクレターゼ / cell-free BACE assay |
研究概要 |
老人斑はアルツハイマー病(AD)脳に特異的であり、その主たる構成成分はアミロイドベータ(Aβ)である。従ってAβの産生及び分解機構を解明することはADの治療に直接結びつく可能性がある。我々はアミロイドベータ前駆体蛋白(βAPP)から、ガンマセクレターゼの基質であるCTF-βを切り出すβセクレターゼ(BACE)の解析を行い、その過程で、驚くべきことにBACEがAβ自体を基質として認識し、切断することを見出した。我々はBACEのこの性質を利用してBACE活性やAβ産生を減じることができるのではないかと考えた。 BACEが主として細胞内でAβをY10とE11部位の間およびL34とM35部位の間で分解することをcell-freeガンマセクレターゼassay及びリコンビナントBACEを用いたin vitro assayの両者の系で明らかにした。この結果より産生されたAβが、ベータAPPからCTF-ベータを切り出すBACEの活性を阻害し得るのではないかと考えた。そこで今年度、我々は消光性基質を用いたBACE assay系にAβペプチドを添加し、実際にBACEの活性を阻害するのかどうかを検討した。その結果BACE活性はAβペプチドにより部分的に阻害された。さらにAβのどの配列にBACE阻害活性があるのかを明らかにするため、短縮型Aβペプチドを各種作製し検討した。その結果Aβ29-40ペプチドが比較的強いBACE阻害活性を有することがわかった。このペプチドを基に新たな薬剤ターゲット開発が可能であると考えられた。
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