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2004 年度 実績報告書

アポトーシス阻害蛋白とタウ蛋白との相互作用と神経細胞死に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591136
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 稔久  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)

研究分担者 武田 雅俊  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
工藤 喬  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273632)
キーワードアルツハイマー病 / タウ蛋白 / アポトーシス
研究概要

アルツハイマー病(AD)の神経原線維変化の主要構成成分として異常リン酸化タウ蛋白がある。アポトーシスとタウ蛋白リン酸化に関する我々の以前からの研究からカスパーゼ阻害因子が関与するものと推定し、AD脳における内因性カスパーゼ阻害因子XIAP(X-Chromosome linked Inhibitor of Apoptosis Protein)について検討した。
まず、タウ蛋白を発現させたCOS7細胞にアポトーシスを誘導するストレスを導入すると細胞死の増加とタウ蛋白脱リン酸化を認めたが、この細胞にタウ蛋白と同時にXIAPとを共発現させると細胞死の数は減少し細胞中のタウ蛋白はリン酸化レベルの亢進を認めた。次に、ウエスタンブロット法による解析によるとAD脳におけるXIAPの発現は増加しており、局在としては主に神経細胞に発現していることが分かった。そして、タウ蛋白N末端とのXIAPとの結合については、2つのペプチドN-tau-delM(AEPRQEFEVMEDH)およびN-tau(MAEPRQEFEVMED)(どちらもアミノ酸1文字表記)のうちN-tau-delMには結合するが、N-tauには結合しないことが判明した。以上のことは、XIAPがAD脳における変性過程において何らかの関わりを持つこと、特にタウ蛋白リン酸化を含む神経変性機序に関わっている可能性と、タウ蛋白のN末端のMet切断化にともなって細胞死を誘導する可能性とを示唆している。アポトーシス阻害因子という細胞死の過程に逆の働きをしているものがAD脳においては複雑に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Amyloid-β down-regulates XIAP expression in human SH-SY5Y neuroblastoma cells2004

    • 著者名/発表者名
      Yamamori H, et al.
    • 雑誌名

      Neuro Report 15(5);,2004 15・5

      ページ: 851-854

  • [雑誌論文] タウ蛋白誘導性アポトーシスによる神経変性に対する抑制剤開発研究2004

    • 著者名/発表者名
      田中稔久, 山森英長, ほか
    • 雑誌名

      精神薬療研究年報 36

      ページ: 57-65

  • [図書] Activated protein kinases and phosphorylated tau protein in Alzheimer disease. "Molecular Neurobiology of Alzheimer Disease and Related Disorders"(Edited.by Takeda M., Tanaka T., Cacabelos R.)2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T., Yamamori H., Wada-Isoe K., et al.
    • 総ページ数
      298(225-235)
    • 出版者
      Published by Karger co., (Basel, Switzerland)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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