研究課題/領域番号 |
16591141
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
末次 正知 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40294631)
|
研究分担者 |
渡辺 義文 山口大学, 医学部, 教授 (90182964)
西田 朗 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20372708)
内田 周作 山口大学, 医学部, 助手 (10403669)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | うつ病 / ストレス / 神経可塑性 / セロトニン / Wister Kyotoラット |
研究概要 |
「ストレス適応破綻状態からうつ状態が発来し、脳内において神経可塑性が傷害され、神経細胞が死に至る」という「うつ病のストレス脆弱性・神経可塑性障害仮説」を、うつ病モデルラットであるWistar Kyoto(WKY)ラットを用いて検証することを目的とした。Wistarラットをコントロールとし、急性ストレスがセロトニン神経系に及ぼす影響を免疫組織化学法により検討した。Wistarラットノンストレス群、Wistarラット2時間拘束ストレス群、WKYラットノンストレス群、WKYラット2時間拘束ストレス群の計4群を設定し、各群それぞれ8匹とした。Wistarラットノンストレス群に比べ、WKYラットノンストレス群では、セロトニン神経線維の密度が疎であった。急性ストレス(2時間拘束ストレス)に対するセロトニン神経繊維の密度変化はWistarラットに比べ、WKYラットにおいて大きい傾向が認められた。この変化がセロトニン神経系に特異的であるかどうかを検討するため、ノルアドレナリン・ドパミン・アセチルコリンといった他の神経系に関しても、免疫組織化学法を施行し、前頭前野に絞って各群の差異を検討した。その結果、ドパミン神経系・ノルアドレナリン神経系・アセチルコリン神経系は,上記4群間に明確な差異は見出せなかった。WKYラットでは、Wistarラットに比べてセロトニン神経線維の密度が疎であったことは、SSRIの作用機序やCRHに対するセロトニンの抑制効果を考える時、興味深い結果であったが、今後、慢性拘束ストレスあるいは異なったタイプのストレスによる、セロトニン神経線維に及ぼす影響を検討する必要がある。また、ドパミン・ノルアドレナリン・アセチルコリン神経系関しては、前頭前野以外の部位においても検討することが必要である。
|