研究課題
平成19年度は、自殺企図により横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター・高度救命救急センターに搬送され、精神医療センターを受診した累積患者564名を対象に研究を行った。患者の心理・社会的背景、臨床データを収集するとともに過去の自殺企図の有無と内容、今回の自殺企図についても詳細に調査した。また、半構造化面接を行い精神医学診断を確定した。さらに精神症状・人格傾向については、抑うつ症状、衝動性、攻撃性を、標準化されたスケールを用いてそれぞれ評価した。自殺企図者の年齢構成を見ると、精神医学診断は、少なくても80%がDSM-IV・I軸診断を有し、その内訳はうつ病を含む気分障害が23%と最多で、適応障害が19%、精神病性障害が15%と続いた。中高年男性では、自殺企図手段で激烈な方法を選択したものが多く、自殺企図歴・自傷の既往が少なく、精神科受療歴も少なかった。遺伝子多型解析は、平成18年度よりさらに対象者数を増やし108名の自殺企図者と、120名の健常対象群の協力を得て解析を行った。その結果、14-3-3ε遺伝子多型については遺伝子型、アレル頻度の分布ともに自殺企図群と健常対照群との間に有意差は認められなかった。HTRIB遺伝子G861C多型については、アレル頻度は自殺企図群と健常群との間で有意差は見出されなかったが、BIS尺度により自殺企図者の衝動性に着目すると、CC遺伝子型は、衝動性の低さと関連している可能性が示唆された。
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Psychiatry Clin Neurosci (印刷中)