研究課題
妊娠17日目のラットより培養6日目において全体の約40%がMAP2陽性の神経細胞、約40%がGEAP陽性のアストロサイトからなる混合培養系を確立した。培養6日目にRI実験施設内において、電離放射線発生装置によりガラスボトムディッシュごと電離放射線1mGy〜2Gyの線量(低線量の照射に関しては1mm厚銅板ないしは1mm厚アルミ板をフィルターとして用いた)の照射を行った。照射後、固定したサンプルはTriton X-100を含むPBSにて処理した後、抗γ-H2AX抗体(TREVIGEN、ウサギポリクローナル抗体)及び、抗MAP2抗体、抗GRAP抗体などの細胞を染め分けるマウスモノクローナル抗体を1次抗体として用い、蛍光波長の異なるアレキサなどの2種の蛍光標識2次抗体を用いて二重染色を行った。抗MAP2抗体陽性の細胞(神経細胞)の核(DAPIで染色される)内の抗γ-H2AX抗体陽性の輝点数を細胞毎にカウントし、各照射量毎に平均値を求め、細胞毎の抗γ-H2AX抗体陽性の輝点数と照射線量のグラフを作成した。その結果、抗γ-H2AX抗体陽性の輝点数と照射線量に直線性がることを確認した。抗γ-H2AX抗体陽性の輝点数はDNA損傷量(double strand breakの量)と比例関係にあることから、神経細胞において線量依存性にdouble strand breakが生成されることが判明した。また、同様の検討を抗GFAP抗体陽性の細胞(アストロサイト)にて行い、アストロサイトにおいて線量依存性にdouble strand break が生成されることが判明した。また、妊娠16日目のラット胎児脳よりオリゴデンドンドロサイトの培養を開始し、現在約90%がオリゴデンドンドロサイトである初代培養系を確立した。
すべて 2004
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Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiat 28
ページ: 591-597