研究課題/領域番号 |
16591156
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 良斉 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70303766)
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研究分担者 |
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
中村 祐 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70291440)
定松 美幸 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90252387)
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キーワード | 心理社会的ストレス / ストレス脆弱性 / 海馬 / NMDA受容体 / グルココルチコイド / 学習 |
研究概要 |
幼少期に血中グルココルチコイド量を調節したラットを用い、ストレス負荷時の海馬NMDA受容体発現の経時的変化と学習およびストレス対処行動との関連を対照群と比較検討し、また、NMDA受容体拮抗薬による予防効果を検討した。SDラットを用いて、正常対照群、副腎摘出群、副腎摘出後にcorticosterone徐放剤を皮下留置した群、副腎摘出をおこなわずにcorticosterone徐放剤のみ皮下留置した群に分け、血中corticosterone濃度を調整した。また、それぞれの群に対し、浸透圧ポンプを用いたNMDA受容体拮抗薬(memantine、MK-801)投与群と非投与群を作成した。それぞれのラットにつき、採血をおこない血中corticosterone濃度を測定するとともに、処置から2週間後にY字迷路による学習障害の測定、および赤外線を用いた行動観察装置により活動量を測定した。この結果、各群において活動量に有意な差は認められなかったが、正常対照群、副腎摘出群に対してcorticosterone徐放剤のみ留置し、血中corticosterone濃度を上昇させた群では学習障害の傾向を認めた。これらのラットの海馬におけるNMDA受容体サブユニットのmRNA発現量をin situ hybridization法を用いて測定したところ、NR2Bの発現が低下する傾向を認めた。 現時点ではまだ処置を施した個体数が少ないため、次年度では個体数を増やし、更に詳細な解析をおこなう予定である。
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