研究課題/領域番号 |
16591163
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 將 昭和大学, 医学部, 助教授 (00190728)
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研究分担者 |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
中込 和幸 鳥取大学, 医学部, 教授 (30198056)
大坪 天平 昭和大学, 医学部, 助教授 (20245856)
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キーワード | driving / Alzheimer's disease / mild cognitive impairment / near infra-red spectroscopy / simulator / aging / frontal lobe / risk |
研究概要 |
本年度は、52チャンネルの近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)装置Hitachi ETG 4000を使用して、運転操作機であるAC110および昨年度から導入した豊田中央研究所製の運転シミュレータTeddyを用いて、昭和大学東病院・精神神経科外来の神経生理検査室内で運転能力に関するNIRS実験を継続した。研究協力者の臨床心理士により、平成17年12月の段階で、高齢健常者30名、若年健常者26名、軽度認知症患者8名、局在性脳損傷患者4名、うつ病患者4例にNIRSの撮像を終了し、得られた中間結果を解析した。主な結果を以下に示す。 【AC110】高齢健常群では、ハンドル操作のみの単純課題と比較した、ハンドル操作+アクセル/ブレーキ操作の二重課題において、両側の前頭葉外側領域を中心に酸化Hbの上昇を認めた。高齢健常群と若年健常群では、課題成績の行動指標には差がみられたが、NIRSにおける酸化Hbの上昇は差がなかった。課題成績の行動指標と酸化Hbの上昇とは一部のチャンネルで相関を認めた。患者群の個々の症例では、二重課題遂行中の酸化Hbの上昇が比較的保たれている症例と、不良な症例とが存在し、ばらつきが大きいと考えられた。 【Teddy】若年・高齢健常群では、安全な場面を走行中と比較して、危険な場面を走行中にアクセル→ブレーキへの明らかな反応ピークが観察された。さらに、若年・高齢健常者では、危険場面走行中に左右前頭葉前方部、外側領域を中心にNIRSにおける広汎な酸化Hbの上昇を認めた。課題成績(操作量のずれ)と酸化Hbの上昇とは一部のチャンネルで相関を認めた。患者群全体では、アクセル→ブレーキ反応のピークが鈍で、運転行動にメリハリがなかった。危険場面走行中では、高齢健常群と比較して、患者群全体では、右前頭葉最前部の外側領域の酸化Hb上昇が不良であった。個々の症例では、危険場面走行中の酸化Hbの上昇が比較的保たれている症例と、不良な症例とが存在した。
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