研究課題
基盤研究(C)
(1)[Bi-material Bolus]重荷電粒子線を使ったがん治療では、照射標的に一様な線量を付与し周辺線量を減らすことが求められる。照射野形成には粒子線の飛程を標的体積深部境界に一致させるために飛程補償器Bolusを使用する。Bolus挿入で生ずる線量分布の悪化をBi-materialbolusを使い改善した。Bi-materialbolusは低原子番号物質と高原子番号物質を組み合せて粒子の散乱を制御し、各Bolus要素を通過するペンシルビームが作る線量分布の横拡がりの大きさを一致させ線量分布の均一化を図る。Bi-materialbolusを通過した160MeV陽子線が水中で作る2次元線量分布(水平方向と深さ方向)を測定した。Bi-materialbolusの設計を、新しに開発した詳細な線量分布計算モデルに基づき行い、16個の異なる底厚を持つ要素からなるBi-materialbolus(高原子番号物質は真鍮、低原子番号物質はCycowood)を製作した。これを使い線量分布を測定した結果、Bolus要素間に大きな段差があっても通常のBolusの場合に見られる大きな線量のdipandbumpは見られず一様なLateral分布が得られた。(2)[Ridgefilter/Conefilter]照射標的の深部方向に一様に線量を付与するために拡大ブラッグピークを作る目的でRidgefilterを使う。中・低エネルギー領域で見られるA1合金製のRidgefilterの挿入による線量分布の悪化をMonteCarlo計算コードGEANT4を使って調べた。分布の悪化の原因である散乱を小さくする目的で、新たにアクリル製のConeを多数面上に敷き詰めたConefilterを開発し、実際にConefilterを作成した。その効果をGEANT4で検証した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (14件)
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