研究概要 |
DNA組換えによりp53遺伝子以外の遺伝的背景を同一にしたヒト癌細胞、或いは変異型ras遺伝子を保有し、癌抑制遺伝子p53の遺伝子型が異なるヒト癌細胞を用い、ras遺伝子の突然変異に由来するTopo IIの活性亢進によるDNA損傷修復能の亢進がもたらす放射線抵抗性を克服するために、その放射線抵抗性獲得へのp53遺伝子の寄与を明らかにすると共に、Topo IIを分子標的とするAmrubicin, Adriamycin或いはVP-16併用による放射線の抗腫瘍効果増強のメカニズムをp53遺伝子との関わりから明らかにした。制癌剤併用による放射線増感メカニズムに関する研究についてp53遺伝子以外の遺伝的背景を同一にしたDNA組換えヒト肺癌細胞を用い、Amrubicin, Adriamycin或いはVP-16併用による放射線増感効果のメカニズムを分子レベルから明らかにした。 ヒト肺癌A549細胞を用いてtopoisomerase IIを標的とするAmrubicin, Adriamycin或いはVP-16の4剤について増感効果を比較した。その結果、4剤ともp53 independentに同等の約1.3倍の増感効果を示した。又、apoptosis及びNecrosisの誘導動態においてp53-in dependent apoptosisは単独処理と併用処理とによる有意差が認められなかったが、necrosisは有意差が認められた。 (S Hayashi, et al.: Enhancement of radiosensitivity by topoisomerase II inhibitor, amrubicin andAmrubicinol, in human lung adenocarcinoma A549 cells and kinetics of apoptosis and necrosisinduction.lnt.J.M01.Med. 18: 909-915,2006)
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