研究概要 |
a)拡散テンソル面像の健常者における最適化 高速ワークステーションを導入し、処理の高速化を図った。さらに超高磁場装置で健常者数名での拡散テンソル画像の最適化を施行した。B-factor 700s/mm^2,2mmスライスで全脳をカバーして、2分という短時間でも三叉神経や錐体路を安定して抽出する条件を設定した。この成果は国際磁気共鳴医学会(京都)で発表し、European Radiologyに原著論文として掲載された。 b)健常者におけるFA値、ADC値などの安定性 若年者20名、高齢者20名でのデータ取得は終了。3次元T2強調画像、FLAIR画像も最適化をおこないEuropean Radiologyに原著論文として掲載された。過呼吸による血管反応性の検討もおこないEuropean Radiologyに原著論文として掲載された。3次元画像についてのreviewは北米放射線学会(米国、シカゴ)で発表した。 なお、その内容はMagnetic resonance in Medicineに掲載が決定している。 これらの結果は今後、外傷性脳損傷のみでなく、様々な疾患を研究する上で、きわめて貴重なデータとなる。 c)外傷性脳損傷患者でのデータ取得 4名の患者において撮影施行。 うち一名について拡散テンソル画像での興味深い経過観察をなしえた。受傷早期から神経学的な予後推定が拡散テンソル画像をもちいることで可能であることが示され、その知見をAmerican Journal of Neuroradiologyへ投稿し、掲載された。拡散テンソルトラクトグラフィーで脳梁からの線維が広範に障害されていることが示された。
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