研究課題/領域番号 |
16591203
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 登志也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60162632)
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研究分担者 |
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 助手 (80359801)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60263084)
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キーワード | Tumor ablation / radiofrequency / liver tumor |
研究概要 |
昨年までの動物実験において、saline-enhanced Radiofrequency ablationは通常のRadiofrequency ablationよりも大きな凝固範囲が得られるものの、想定外の範囲・方向に凝固範囲が及ぶことがあり、安全性に疑問が残るものであった。平成18年度は(1)ウシ肝(n=3)を用いて肝実質にRadiofrequency ablationを行う実験において、Cool-tip needleの周囲1cmに4本のPEIT needleを置き、PEIT needleから生理食塩水の継続的滴下ではなく、ablation開始直前、4分後、8分後にそれぞれ生理食塩水5ccを滴下し、Radiofrequency ablationを12分間行った。その結果5.8x4.0cm(長径x短径、平均値)の広い凝固範囲が得られた。しかもelectrodeを中心としてほぼ円形、楕円形の凝固形であり想定外の広がりは認められなかった。(2)この方法でsaline-enhanced Radiofrequency ablationを臨床応用した。症例は5例の肝細胞癌患者:年齢63歳から76歳、男:女=3:2、いずれもHCV(+)、腫瘍は直径2.7cm-5.2cm,平均3.9cm。腫瘍中心部にCool-tip needleを穿刺、その周囲1-2cmに2-4本のPEIT needleを留置、PEIT needleから生理食塩水を上記方法で滴下しながらRadiofrequency ablationを行った。1回のRadiofrequency ablationで、safety marginを約5mm-2cmとることができ、いずれも治療効果はcompleteであった。その後のfollowでも局所再発は認められていない。今後特にRadiofrequency ablationの適応外と思われる5cm以上の大結節を中心に臨床例を重ねてゆきたい。
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