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2004 年度 実績報告書

血管内治療後の血栓性動脈閉塞の予防-EctoATPDase遺伝子導入による試み

研究課題

研究課題/領域番号 16591212
研究機関宮崎大学

研究代表者

田村 正三  宮崎大学, 医学部, 教授 (60150439)

研究分担者 矢野 貴徳  宮崎大学, 医学部, 講師 (20315378)
浅田 祐士郎  宮崎大学, 医学部, 教授 (70202588)
キーワードEcto-ATPDase / 遺伝子導入 / 血栓 / 血小板 / 平滑筋細胞 / 動脈
研究概要

経皮的血管形成術の合併症の一つである動脈血栓の形成においては、血小板の活性化が重要であり、その制御には血管内皮細胞膜上に発現しているecto-ATP Diphosphohydrolase (ecto-ATPDase)が重要な役割を担っている。本研究では胎盤より精製された2種類のecto-ATPDase(PlacIおよびPlacII)をラットの頸動脈に遺伝子導入し、生体内における抗血栓作用を検討した。
1)ラットの血管平滑筋細胞に、アデノウイルスベクターを用いてPlacI, IIの遺伝子導入を行った。PlacI遺伝子を導入した平滑筋細胞においては、高度のATPおよびADP分解活性を示したが、PlacII遺伝子導入およびコントロール群(LacZ遺伝子導入)ではこの酵素活性は認められなかった。次に、ラットの多血小板血漿を調整し、ex vivoにて血小板凝集抑制能を検討した。PlacI遺伝子導入の平滑筋細胞存在下で、ADPならびにコラーゲンによる血小板凝集は有意に抑制された。これらの結果より、PlacIは血漿中のADPを分解することにより血小板凝集を強力に抑制することが示唆された。
2)以上の結果を踏まえ、レーザー照射による血栓形成モデルを用いて、PlacIの抗血栓作用を検討した。LacZ遺伝子導入血管では、レーザー照射開始後2分以内に閉塞性の血小板血栓が形成されたが、PlacI遺伝子導入血管では、10分間の照射においても閉塞性血栓の形成は認められなかった。またPlacI遺伝子導入ラットの全身的な血液凝固・血小板凝集能には異常は認めなかった。
胎盤由来のecto-ATPDase Iは傷害動脈壁において強い抗血栓作用を有することが示された。病変血管への同酵素の遺伝子導入による新たな抗血栓療法の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Adenovirus-Mediated Transfer of Human Placental Ecto-Nucleoside Triphosphate Diphosphohydrolase to Vascular Smooth Muscle Cells Suppresses Platelet Aggregation in vitro and Arterial Thrombus Formation in vivo2005

    • 著者名/発表者名
      古小路 英二
    • 雑誌名

      Circulation 111・6

      ページ: 808-815

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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