研究課題/領域番号 |
16591219
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
井上 佑一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00101288)
|
研究分担者 |
渡辺 恭良 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40144399)
岡村 光英 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00221143)
中山 圭子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80326264)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | FDG PET / microPET / ブドウ糖負荷 / 腫瘍炎症鑑別 / VX2腫瘍 / テレピン油 |
研究概要 |
(1)日本白色家兎に作成したVX2腫瘍移植により作成した腫瘍巣およびテレピン油注入により作成した炎症巣についてmicroPETにて糖代謝の評価を行い、良悪性の鑑別が可能かどうかを検討した。microPETは経時的に2時間後まで撮像を行い、10分毎の腫瘍(T)と炎症(I)のFDG集積を筋肉(M)との比を求めることで定量的に評価を行った。T/M比は経時的に直線状の上昇を示した。I/M比についてはテレピン油注入5・7・14・30日目では経時的に上昇したが、1時間後以降は緩徐な増加を示した。2日目では60分までは増加するものの、それ以降は変化を認めなかった。60日目は経時的な変化はみられなかった。T/M比とI/M比は、1時間後まではいずれの時期でも有意差はみられなかったものの、それ以降は有意差を認めた。以上より、実験動物モデルにて、腫瘍と炎症の鑑別は静注2時間後像で可能であり、後期像の有用性が示された。 (2)静注1時間後の摂食がその後の腫瘍のFDG集積にどのような影響を及ぼすかを臨床で同一症例にて検討することは困難である。そこで、VX2腫瘍巣作成日本白色家兎を用い、FDG静注1時間後に経口ブドウ糖負荷を行うことの影響を検討した。ブドウ糖非投与群は2時間後まで経時的に直線的な増加を示した。ブドウ糖投与群はT/M比は1時間後まで経時的に直線的な増加を示したが、それ以降は放物線的な増加を示した。ブドウ糖非投与群と投与群の1時間後のT/M比の間に有意差はみられなかったが、2時間後では両者間に有意差を認めた。実験腫瘍動物モデルにおいて、腫瘍のFDG集積は、FDG静注1時間後に行ったブドウ糖経口投与によりその後のFDG集積は影響を受け、集積減弱した。以上より、FDG PET検査が終了するまでは絶食にするのがよいと推測される。
|