研究課題/領域番号 |
16591232
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
東 光太郎 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50189750)
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研究分担者 |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
栂 博久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90142554)
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キーワード | FDG PET / 肺癌 / 新生血管 / 抗CD31抗体 / 抗CD105抗体 / VEGF / angiopoietin / hypoxia induced factor |
研究概要 |
未治療の非小細胞肺癌患者を対象として、FDG PETにより生体における肺癌の糖代謝活性(FDG集積度)を測定した。術後、肺癌の外科的切除標本を用い免疫組織化学染色法にて抗CD31抗体、抗CD34抗体を用いて肺癌組織の全血管数を測定した。また抗CD105抗体を用いて新生の血管数を測定した。さらにVascular endotherial growth factor (VEGF)、angiopoietin、hypoxia induced factor-2α(HIF-2α)を測定した。その結果、肺癌のFDG集積度は全血管数とは有意な相関がなかった。しかし、肺癌の新生血管数、VEGFの発現、angiopoietinの発現、およびHIF-2αの発現はFDG集積度と有意な正の相関があった。特にFDG集積度はangiopoietinの発現と相関が強かった。また新生血管数、VEGFの発現、angiopoietinの発現、およびHIF-2αの発現は肺腺癌の分化度と関連があり、細気管支肺胞上皮癌は低分化型肺腺癌よりこれらの発現が低い傾向があった。さらに、real-time RT-PCR法にてangiopoietinのmRNAレベルの発現を測定したところ、FDG集積度と有意な正の相関があった。これらのことから、肺癌のFDG集積度から肺癌の新生血管数、VEGFの発現、angiopoietinの発現、およびHIF-2αの発現の程度を推測することが可能であり、FDG PETにより新生血管を標的とした分子標的治療の治療効果を治療前に予測できることが示唆された。
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