研究概要 |
(1)井戸形電離箱による空気カーマ強度測定法の確立(癌研・伊藤) 米国の医療用2次校正施設で校正されている井戸形電離箱を入手して、^<125>Iシードの測定法と誤差の評価法を習得した。癌研病院では2005年2月までに約30例の刺入を行ってきた。我々は米国物理学会AAPMの医学物理ガイドラインに準拠し、これまでに臨床で使用する全てのシードを個別に線源強度の測定を行なってきた。その測定シード数は2000を超える。その結果、測定値はメーカーの公称値より、平均2%低いことが分かった。2004年11月にはわが国で認可されているシードの製造工場(Amersham healthcare,IL,USA)を訪問調査し、わが国で認可されている型のシードに関しては質の高い品質保証・品質管理が行なわれていることが明らかになった。この2%の系統的な差は、NISTにおける^<125>Iシードの校正の違いに起因していることが判った。 (2)米国NISTより^<125>Iシード標準線源の入手(癌研・伊藤、産総研・桧野) 現在、^<125>Iシードの日本の国家標準がないので、^<125>Iシードを米国NISTでその空中カーマ強度(μGy/m^2MBq)を校正した標準線源を導入することを検討した。この標準線源により、井戸形電離箱の感度を校正する。2004年12月に、I-125シードの強度(空気カーマ強度)の米国国家標準を与えているNISTを訪問して、日本におけるI-125シード強度測定と校正のために、標準線源の提供とその維持について協議を行った。米国AAPMで実施しているのと同じ手順を導入する方向で検討を進めた。平成17年度は、MST標準^<125>I線源を導入して、国内の校正機関、前立腺がんシード治療の実施機関との間で相互比較と標準供給の体制確立のための研究と開発を推進する予定である。
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