研究分担者 |
今井 礼子 東京女子医科大学, 放射線科, 助手 (80385418)
辻井 博彦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (50088853)
辻 比呂志 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (70207364)
石川 仁 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (70344918)
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研究概要 |
1996年6月から2002年8月までに重粒子線治療(炭素イオン線4週間16回照射)を施行した仙骨脊索腫新鮮例で1年以上経過観察を行った21症例について坐骨神経におけるDVHと神経症状との関係について解析した.方法;坐骨神経は治療計画CT上(非造影、5mm幅)で診断用CT,MRIを参考に同定した.腫瘍と一塊となって同定困難なスライスは前後の関係より判断し,さらに困難な症例に関しては2名の放射線科医が診断した。坐骨神経はスライスごとに径8mm(10ピクセル)の円で示し,全例同一サイズとし,L5レベルから坐骨結節まで設定した.腫瘍の照射線量は64-.0-73.4GyE(中央値70.4GyE)であった.神経症状はSOMA/LENTスケールを参考とし評価した.結果:症状は左右あわせてgrade0が20例,grade1が12例,grade2が10例であった.60GyEにおけるDVHではgrade0が1.285±0.37cc,grade1が3.365±0.52cc,grade2が7.547±0.64ccであり,各々の群に有為差(p<0.005)を認めた.Grade2の症例の平均腫瘍体積は715ccであり,いずれも腫瘍の浸潤や近接が認められた.仙骨全体を照射し、60GyEにおけるDVHの左右差が1cc未満であった3症例においては、いずれも腫瘍の偏在している側のgradeが高く、病巣の存在が神経症状の予後に影響していることが示唆された。結語:坐骨神経症状と60GyEのDVHの間に相関が認められた.照射体積が同程度の場合,腫瘍の偏在する側に神経症状が増強する可能性が考えられた.この研究の一部を論文としてまとめ、CLINICAL CANCER RESEARCH誌に報告した。MGHとの脊索腫症例のMATCHED PAIR STUDYについては、MGHにおいて陽子線治療症例のデータ使用につきIRB(MGH)の承認が得られたことに伴い、MGHを訪問し、対象症例の具体的な選択基準の打ち合わせを行った。
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