研究概要 |
無採血化については、独立成分分析に、脳組織及び血管の空間分布の確率密度関す上の差異を強調するようデザインした前処理を付け加えた独自手法を提案し、糖代謝測定用の^<18>F-FDG,アデノシン受容体測定用の^<11>C-MPDX,^<11>C-TMSXに適用した結果、臨床使用可能であることが確認できた。FDG糖代謝画像作成については、事後確率最大化規範(MAP)を導入した。糖代謝画像の作成においては、PETデータの劣悪なSN比及び、莫大な画素数が問題となる。MAPの導入によって、雑音が推定値の及ぼす影響を抑制した。また、特徴量空間内での探索問題としてモデル推定を実現することで、従来法では問題となっていた繰り返し計算及び畳み込み積分を避けることができ、計算の高速化が図れた。その結果、30分程度の計算時間で画像作成が可能となり、画素単位でのコンパートメントモデル解析を、臨床へ供することが可能となった。部分容積効果補正については、ガウス混合モデルに基づいた確率的モデル化と、モルフォロジカルオペレーションを組み合わせた補正手法を構築し、その妥当性を検証した。MRI画像上では固有の値を有すると考えられる、灰白質,白質,脳脊髄液をガウス混合モデルによって弁別した後、脳構造の連続性をモルフォロジカルフィルタで考慮することで、より高精度な組織分類が可能となった。更に、近傍画素間では各組織の混合比が一定であること仮定することで、部分容積効果の補正を行った。
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