研究課題/領域番号 |
16591255
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
八木 孝仁 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00304353)
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研究分担者 |
貞森 裕 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30362974)
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キーワード | 小腸移植 / 拒絶反応 / ドナー特異的免疫抑制 / 骨髄細胞 / 門脈内投与 / グラフト潤滑リンパ球 / サイトカインバランス / 骨髄由来樹状細胞 |
研究概要 |
ドナーが特定され待機手術が可能な小腸移植は、術前にドナー細胞を用いたablation therapyが可能である。 今回ラット小腸移植モデルにおいて、骨髄細胞の同日投与(Day0 BMTPV)(前感作の危険を減ずるため)を行った。その投与は門脈内投与において最も効果が高く、FK506投与下でグラフト浸潤リンパ球のIFNγとIL-2の産生を、ステロイド大量併用群(5mg/kg/day)と同等に抑制し、生着延長効果もこれに匹敵した。 これらのDay0BMTPVの効果を、小腸グラフト内の浸潤リンパ球そのものを解析することによって解明すべく、同じくラット同所性移植モデルを用いて解析した。 グラフト浸潤リンパ球のレシピエント由来のリンパ球の総数がDay0BMTPV群においても激減しているばかりでなく、その細胞内サイトカイン産生は骨髄細胞投与群においてTh2shiftを示しており、とくに門脈内投与群は末梢静脈投与群において著しいことが証明された。したがってDay0BMTPVの効果は、ドナー骨髄細胞の門脈内投与により、グラフト浸潤リンパ球そのものの数的、サイトカイン環境的変化を来たし、ドナー特異的免疫抑制をもたらすことが証明された。 次年度よりは、この骨髄細胞成分の主たるeffector cellと考えられるドナー樹状細胞(DC)に焦点をしぼり、同じく移植モデル(ラット)を用いて、DCの特異的免疫抑制に対する機能とかかわり、より効率的ablation therapyの確立を目指して研究する予定である。
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