(平成16年度の研究実績経過報告) バセドウ病手術患者において、手術後の甲状腺ホルモン低下症となる患者に対して、移植することにより甲状腺ホルモンをコントロールする研究課題である。平成16年度においては、平成17年3月2日の時点において、合計28例のバセドウ病患者の手術を施行した。 手術の目的は、重篤な副作用をもつバセドウ病に対する最後の砦としての再発防止であるため、術後は甲状腺ホルモン低下症とする必要がある。 (術後患者ホルモン状態) 術後甲状腺ホルモン状態をフォローアップすると、殆どの症例において甲状腺ホルモン低下症となっていることが確認された。また、半数においてTSH receptor抗体の陰性化が認められ、このような症例においては自家移植が可能になると判断された。 (培養系) インフォームトコンセントが得られた症例において、手術標本は直ちに無血清であるセルバンカー2にて凍結保存を全例に作成した。今後のin vitroおよびvivo実験系のために、それぞれの症例より凍結チューブ3本以上を確保した。セルバンカーにて凍結保存後に単層培養での培養は可能であることを確認した。 今後さらに、viabilityの検索および移植方法を確認予定である。 (移植方法) 臨床例にて副甲状腺組織の自家移植必要な場合に前腕移植を行い、手技の確立を図っている。
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