研究概要 |
(平成18年度の研究実績経過報告) バセドウ病に対する外科的治療の目的は、内科的治療によって重篤な副作用が認められた症例などがその適応であるため、術後に再発させてはならない。外科的治療の目的を保ちながら、患者の美容的意義を求めた手術方法を確立した。その術後の甲状腺ホルモン状態を調査し、79%が甲状腺機能低下症になることを報告した。(参考文献1) (術後患者ホルモンおよびTSH受容体抗体の状態) 術後甲状腺ホルモン低下症となっていることが確認され、甲状腺ホルモン補充療法が必要となっている。また、現時点においてTSH receptor抗体の陰性化が10%に認められた。このような症例においては凍結保存している自家甲状腺組織の移植が臨床上必要になると判断された。 (培養系) インフォームトコンセントが得られた症例において、手術標本は直ちに無血清であるセルバンカー2にて凍結保存を全例に施行した。数例の保存組織より凍結組織より、培養を試みることで、viabilityについて検討している。これは、凍結保存法の確認にすぎず、移植に用いる時には、最小限の組織単位にて移植を行う予定である。 (移植方法) 臨床例にて副甲状腺組織の自家移植必要な場合に前腕移植を行い、手技の確立を図っている。移植片の作成大きさが一番条件の良いものを検討しており、0.5mm,1mm,2mm,3mm大の角切りにて、そのviabilityを検討している。
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