甲状腺組織におけるhBUB1、hBUBR1、hBUB3、hMAD2の4種の紡錘体形成チェックポイント遺伝子の発現をライトサイクラーを用いたreal-time RT-PCR法によって解析している。甲状腺未分化癌におけるhBUB1、hBUBR1、hMAD2の発現は甲状腺分化癌に比較して有意に高い。さらに、hBUBR1とhMAD2は臨床的に局所浸潤、局所再発、あるいは遠隔転移をおこすような進行・再発例の分化癌において、非進行性の分化癌より発現量が高い。非癌部での発現は低かった。現在は症例数を増やして、統計学的に甲状腺癌の悪性度評価および予後予測因子となりうるかを検討中である。また、現在のところはhTERTの発現を測定した例においては、紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現と一定の関係を認めていない。
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