研究概要 |
我々はこれまで、樹状細胞と腫瘍の融合細胞を用いた癌ワクチン療法の検討を行ってきた。今回は進行再発消化器癌患者の第I相臨床試験を終了し、さらにallogeneousな腫瘍細胞の臨床応用の可能性について検討を行った。 1.樹状細胞と腫瘍の融合細胞療法による第I相臨床試験 (1)標準的治療法無効な進行再発消化器癌を対象に樹状細胞と腫瘍の融合細胞療法の第I相臨床試験をを10例に施行し以下の結果を得た。 (1)安全性:全例に重篤な副作用はみとめられず、安全性が確認された (2)腫瘍免疫の誘導:10例中、6例でDTH反応,Th1/Th2.Tc1/Tc2バランスの改善を認めた。 (3)臨床効果:10例中、SD6例、PD4例であった。 (2)DNAチップを用いた癌細胞のプロファイルの検討 血清腫瘍マーカー発現の有無にかかわらず、癌細胞のプロファイルを検討した。 2.自己の樹状細胞とallogeneousな腫瘍細胞からなる融合細胞の検討 ヒト由来樹状細胞とallogeneousな腫瘍細胞の融合細胞を作成し、抗原提示能およびCTL誘導能をin vitro assayで検討したところ、CTL活性の誘導が確認された。
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