1 第I相臨床試験 標準的治療法が無効な進行再発消化器癌を対象に、樹状細胞と腫瘍の融合細胞を用いた癌ワクチン療法の第I相臨床試験を行った。 目標症例数13例を終了し、以下の結果を得た。 (1)全例に重篤な副作用を認めず、安全性が証明された。 (2)臨床効果は、PR1例、SD6例、PD6例であった。 (3)末梢血Th1/Th2バランス、DTH反応、血清ペプチド抗体の測定結果から、PRおよびSD症例で抗腫瘍免疫の誘導が確認された。 (4)免疫抑制因子である血清1畑およびTGF-βを測定したところ、PD症例はPRやSD症例に比べ上昇する傾向を認めた。 (5)進行再発消化器癌症例における融合細胞ワクチン療法は、重篤な副作用を認めず、抗腫瘍免疫誘導および一部の症例に腫瘍縮小効果を認める、癌ワクチン療法としての有用性が示唆された。 2.第II相臨床試験 消化器癌を対象に、樹状細胞と腫瘍の融合細胞ワクチンおよび化学療法剤との併用療法による第II相臨床試験を開始した。現在、症例を集積中である。
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