研究課題/領域番号 |
16591274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
田部井 功 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50266649)
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研究分担者 |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80189498)
石田 祐一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30260946)
大久保 辰雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20277007)
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キーワード | 肝細胞移植 / 羊膜細胞 / 神経原基 |
研究概要 |
ヒトの初期胎盤よりピンセットで剥がした羊膜をカミソリメスで細切後消化酸素(0.1%トリプシンー0.02%EDTA/PBS(-))で細胞を解離し、DMEM/F12+10%ヒト胎児血清(靱帯血バンクより)にて初代培養を行った。 単層培養で増殖する細胞シート中に出現する小型細胞の集団から成るドーム型コロニーを濾紙法を用いてcolonial cloningし、HEA-1 cell lineを樹立した。この細胞は正常2倍体性の核型を有し、粗面小胞体がよく発達しているという特徴を持つが、この特徴はラットやマウスのES細胞にも認められるものである。 次に、HEA-1細胞をヌードマウスの皮下に移植すると、神経管の原基、消化管原基、胎児性軟骨、膜性骨化による骨形成などが観察される三胚葉性のテラトーマを形成したことと上記電顕による微細構造の特徴から、HEA-1細胞は多分化能を有する可能性が強く示唆された。また、テラトーマ中には免疫染色によりインスリンを含有するβ細胞もラ島と思われる構造物中に存在していることを確認した。 特に、nude mouseに発生させた三胚葉性のテラトーマのなかに非常に神経管の構造に類似する構造物があり、神経系の細胞、組織の発生の可能性が確実視され、HEA-1細胞に低濃度のレチノイン酸を作用させ多極神経細胞やグリア細胞を分化させることに成功し、第4回日本再生医療学会にて発表した(平成17年3月2日、大阪、p2-181)。 また、ヒト羊膜より肝細胞発生のための基礎的実験としてratES細胞より肝細胞を誘導し肝不全回復能力のあることを確認し、報告した。この技術を応用し、ヒト羊膜より肝細胞を誘導する。
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