研究課題/領域番号 |
16591274
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
田部井 功 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50266649)
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研究分担者 |
石川 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 客員教授 (30089784)
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80189498)
石田 祐一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30260946)
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キーワード | 肝細胞移植 / 羊膜細胞 / 細胞培養 / 人工肝臓 |
研究概要 |
肝不全患者に対する肝臓移植治療は有用であるが、移植材料の確保に難渋する。代替療法としての肝細胞移植治療の開発や人工ハイブリッド型臓器のため胎児肝細胞、ES細胞、組織間細胞、ips細胞万能細胞や不死化肝細胞培養法などいろいろな研究が行なわれている。新たな細胞源として羊膜胎盤が廃用物であり倫理的に問題が少なく免疫学的寛容性の可能性に注目し、ヒト羊膜内の幹細胞を機能の有する肝細胞に分化させられないかと考えた。この羊膜由来肝細胞の形態、代謝、機能を解明し、肝機能不全患者に対する治療の材料源としての肝細胞作製法を確立することが本研究の目的である。本年度は以下の如く実験を進行してきた。 (1)前年度作成した羊膜幹細胞より分化させた胚葉体(HEAC-L細胞)を生育させ、ここから採取した肝原基の機能を調べるため以下の実験を行った。I.形態的にmonolayer、立体培養時、脾臓内移植時のH-E染色を検討中。II.機能-アルブミン産生能、アンモニア代謝能を確認。III.薬剤誘発肝障害モデルを作成して細胞移植が予後に与える影響を検討。 (2)HEAC-L細胞はorganellaの豊富な小型球形細胞でcontact inhibition と正常核型を有し長期間安定したphenotypeが確認された。CCl_4誘発肝障害ラットの脾臓に移植するとcontrolに比べ生存率(約33%-85%)の改善が認められた。さらに肝障害時における、PT時間、血清アンモニア値、血中ビリルビン値などを改善し肝代謝機能の存在が確認された。
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